前回は鉄道遺構のレポートをしたが、今回は初めての道路レポートになる。

1本目のレポートにしていいのか躊躇うほどの大物を釣り上げてしまった気もするが、気にせず書いていこう。

今回紹介する隧道は 旭隧道 だ

大して有名でもないので私も前まで全く知らなかった。
旭隧道は新潟県三条市にある手掘りの隧道である。
旭隧道
旭隧道
中央に見える点線が旭隧道だ。
信越本線東光寺駅から徒歩で40分、タクシーなら10分ほどとアクセスのしやすい隧道だ。




まずは驚愕の旭隧道のスペックについて。
隧道マニアにはおなじみの全国トンネルリストによると、開通は昭和29年、全長は763m、幅員2.1m、有効高1.7m、壁面区分素掘り、現状は制限付自動車通行可ってる。また、隧道を抜けた先にある神社(後述)のHPによると掘削方法は手掘りだそうだ。聞いただけでもすごい

2017年8月現在、日本最長の手掘り隧道は同じく新潟県の長岡市山古志にある全長877mの「手掘り中山隧道」であるが、こちらは現在自動車通行不能なため自動車が通れる手掘り隧道では旭隧道が最長なのではないだろうか。だが、同リストによると中山隧道は内装が吹き付けとなっているため、掲載されているトンネルのうち、内装が素掘りの隧道では全国一位である。(調査漏れがああれば申し訳ない)
新潟の片田舎にある何の変哲もない隧道がまさか素掘り隧道日本一だとは探索前は一切知らなかった。

(手掘りと素掘りの違いについて)
手掘り隧道:機械を使わず手で扱う道具で堀った隧道
素掘り隧道:掘削後の地肌のままの状態の隧道


前置きが長くなったがこの隧道を探索することになった経緯も含めて書いていこうと思う。もともと私は鉄道撮影のために何度も新潟に足を運んでいたのだが、そのうち三条市に長大手掘り隧道があるという情報を得た。過去にナニコレ珍百景で紹介されたことがあるらしく(出典不明)検索するとすぐに旭隧道がヒットした。そして隧道認知から3か月経った8月に探索することとなった。
最寄りの東光寺駅からは徒歩40分もかかるのでタクシーを使うことにした。



東光寺駅
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タクシーに乗ったのは単に歩くのが面倒だからというだけではなく、隧道や地元の情報を仕入れたかったからだ。なにせ東光寺駅前には駐輪場以外本当に何もない。タクシーも常駐していないので事前に予約しておいた。ここらは東京と違って配車料金がからないからありがたい。早速乗り込んだタクシーで運転手に隧道について聞いてみたら、「隧道までは行ったことがないから詳しいことはわからないが隧道の先に人が一人住んでいる」とのことだった。隧道の先に世界一神社という不思議な名前の神社があり、そこの神主さんが隧道を使っているという話は事前に調べていたが、住んでいるという話は初めて聞いた。どちらにせよ定期的に利用している人はいるのだ。
10分もかからないうちに隧道手前にある「吉野屋」という牛丼屋みたいな集落にたどり着き、さらに道を進んでいくと旭隧道がぽっかりと口を開けているところに到着する。隧道前には車を回転させられるスペースもある。

隧道を背に広場を望む。来た道は右側に伸びている。

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運転手さんに「1時間後にまたここへ来てもらえますか」と聞いたところ、「奥まっていてここまでの道がわかるタクシーが捕まるかわからないからここで待っているよ」と言われたので待っていただくことにした。そのため重いリュックを放置してカメラだけ持って突撃できたので非常に感謝している。

いよいよ隧道内に進行していく。
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吉野屋側入り口は入ってすぐにカーブしているため真っ暗だ。
トンネルの上になぜか滝があり、横から水が流れている。かなり大きな音を立てて流れている。
過去には中越地震で崩落があったため通行止めになっていたこともあるようだが、今は解除されている。しばらく晴れた日が続いた後での探索だったがかなりの水量があり、雨の跡ならばさらに水量が増すのだろう。そんな日は隧道を通行することはできるのだろうか。

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あれ、素掘りではなかったのか。
ものすごい騙された気がしたがここまで来て帰るわけにもいかない。
入り口はコンクリート巻きになっていてすぐに右カーブだ。

隧道内は3~5センチほどの水位で水が流れている。防水の運動靴でも入れるがこの先でかなり汚れる上に日によって水位は違うので探索には長靴をお勧めする。

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しばらく行くとコンクリート吹付(またはモルタル)になる。
吹付部は補強のためにアンカーらしきものが打たれているがこれが不気味だ。
どうやらこのコンクリ巻きは開通後に作られたもののようだ。たびたび地震に見舞われているうえに、坑口の上に滝がある環境でもあることから補強をしたようだ。隧道リスト更新してくれ…。


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地震で崩落した箇所だろうか ビニールシートがかけられている。集落の最奥にあり利用者も少ないがちゃんと手入れがされているということがわかる。一見死んでいる道のようでも名前も知らない誰かが利用し、手入れもされている様子を見るとうれしくなる。実際は歩いても歩いても出口の光が近づかない恐怖で探索時はそんなことを微塵も考えていなかったことは秘密である。(私は結構怖がり)

しばらく進むとまた内装が変わる。
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昔はもっと素掘り区間が長かったようなのだが地震の影響で年々コンクリ補強されているようだ。
後日調べたところ、ここ数年でも補強工事が行われており、数億円もの税金が投入されているらしい。そんなに費用投入をするほど交通量があるようにも見えないし、代替路もあるはずなのだが、この隧道を使い続けたい理由が何かあるのだろうか。導入が長くなってしまったせいでまだ入ってきたばかりだが続きは次回。 上の画像からもわかるがいよいよ素掘り区間に突入するが比べ物にならない不気味さとなる。

次回 長大手掘り隧道の素掘り区間へ







編集後記
数ある記事の中からお読みいただきありがとうございます。このブログ2本目の記事のためまだまだ内容が拙く、読みづらい点が多くあったかと思います。是非とも至らなかった点をコメントで教えていただけると大変ありがたいです。改善提案や内容の間違い、誤字脱字等もご指摘をいただければと思っています。今回は二本目の記事のくせにわざわざ新潟のネタを持ってきましたが、ぼーっとしていたら記事投稿が探索から3か月もたってしまいました。隧道は新品よりも古いもののほうが味が出て感動できますが、記事も熟成させて見ごたえのあるものになったということで一つよろしくお願い致します(笑) 三篇構成にする予定ですので次回は中編となります。3か月後にならないよう気を付けますので、中編もご覧いただければ幸いです。